鳩座にまつわるギリシア神話はなく、
旧約聖書の「ノアの箱舟」から放たれた鳩にちなんで作ったとされています。

ある時神は地上を見下ろして、そのいたる所に悪がはびこって
いるのを知り、地上のすべての人間を大洪水を起こして滅ぼそうと
しました。しかし、正しき人であったノアにだけは、「大きな箱舟を造り、
お前の家族と地上の鳥と獣のひとつがいずつを集めて乗せよ」と
神託を下しました。ノアは神に言われたとおりに箱舟を造りました。
その様子を見ていた人達は、とうとうノアもおかしくなったと笑いましたが、
ノアとその家族は神を信じていたので、笑われても船を造り続け、
動物たちを集めて箱舟に乗せました。
すべてに準備が整った時、雷鳴が轟き大雨が降りはじめました。
大雨はみるみるうちに洪水となり、地上の諸々の悪をすべて
洗い流してしまいました。ノアの乗った箱舟は40の夜の間続いたという
嵐に耐え、さらにその後の61日に及ぶ洪水の期間を乗り切ったのです。
ノアは世界が住める土地になったかどうかを調べるためカラスを放したが、
カラスは帰ってきませんでした。そこでノアは今度は鳩を放してみました。
その時はすぐに帰ってきてしまいましたが、7日後再び放してみると、
鳩はオリーブの枝をくわえて戻ってきたのです。さらに7日後、ノアは
動物たちをすべて地上に解き放ちました。ノアは神の祝福を受け、
地上には再び生命が蘇ったといいます。
この時のオリーブの枝をくわえた鳩から、鳩座が生まれたといわれています。