さんかく座は秋の宵、天頂付近にある星座で意外によく目にとまります。
アンドロメダ座のすぐ隣、腰にあたるβ(ベータ)星ミラクから
南側にずれたところにある3つの3等星で作られた細長い二等辺三角形の形をしていて、
この星座には大きく広がった渦状銀河M33(下-写真参照)があります。星座写真にも写真右側にぼうっとした光芒が写っています。
かなり古い時代から知られていて、古代ギリシアでは「デルトトン」というデルタ座の名前で呼ばれていました。
これはギリシア文字の4番目、大文字のΔに由来します。
エジプトでは「ナイルの家」「ナイル川のデルタ」の名で呼ばれていて、こちらのデルタはギリシア語ではなく、
ナイル川にある三角州(デルタ)のことを指しています。
また、アラビアではこの星座のアルファ星カプト・トリアングリ(三角の頂点)と、
β(ベータ)星を結ぶ線を「アル・ミーザーン(秤竿)」と呼んでいました。
中世になってキリスト教の時代に入ると、三角座はキリスト教の「神と精霊と人間の調和」をうたった
三位一体のシンボルとされたり、初代ローマ法王である使徒ペテロのかぶっていた三角形の頭巾と見られたりしたそうです。 |