おひつじ座は秋から冬に季節がうつろうとしている時、夜空の一角に姿を現す星座です。
アンドロメダ座の南に星3つが細長い二等辺三角形を作るさんかく座のすぐ下に、
もう1つこれと似たいびつな三角形を形作る2等,3等,4等の3個の星が、おひつじ座の頭の部分にあたります。
この星座は黄道12星座の第1座のもっとも重要な星座として注目されていました。
それは、毎年3月21日ごろの春分の日に、太陽は黄道が天の赤道を南から北へ通過する春分点にさしかかり、
昼と夜の長さを同じ時間に分けることになるのですが、現在魚座の西部にあるその春分点は今からおよそ2000年前の
ギリシアの天文学者ヒパルコスが黄道12宮の起点を定めた頃には牡羊座にあったからです。
そしてこの星座の2等星ハマルは、「羊の頭」を意味し、距離80光年にある私達の太陽によく似た星です。
左耳にあたるベータ星をシェラタン「合図」ともいうのは、昔牡羊座に春分点があったころの春の合図とされたためと
いわれています。また左の角にあるガンマ星は史上3番目に発見された美しい2重星です。
中国の二十八宿では「婁宿(ろうしゅく)」と言われます。
また、徳川時代の日本では、この星座の形を足で踏んで風を送るフイゴにみたてて、「たたらぼし」と呼んでいたそうです。 |