ぎょしゃ座は、晩冬の天頂近くの空に見える五角形の形をした星の連なりです。星座の形はやや長細い五角形の胴体に、小さな腕がついているような並びです。五角形の一番明るい星は1等星カペラです。この星は全天の中で一番北極に近い星で、真夏を除けばほとんど北の空に1年中いつでも見ることができます。 |
カペラ |
カペラの横には、ε(エプシロン)星という奇妙な連星があり、この星は27年周期で3.4等から4.5等にまで変光する食変光星の1つなのですが、その伴星が太陽の直径の2300倍という、星としては最大級のものなのに、どんな観測方法をとってみても影も形も見えないものなのです。しかし、ε星のまわりに土星の起動がすっぽり入ってしまうほどの、とてつもなく大きな星がまわっていることは疑いのない事実なのです。
そこでこれはブラックホールに吸い込まれる巨大な宇宙の塵なのではないか、とか、原始惑星系が誕生しかけている姿なのではないか、という説が出されるなど論争の的になっているそうです。
現在、この伴星が直径約50億キロメートルという巨大な宇宙塵の円盤状の集まりということだけは明らかになってきているそうですが、正体は依然として不明のままなのだそうです。 ギリシ神話の鍛冶の神ヘパイストスといわれる以前のギリシャでは、「ヘリオニクス(たずなを取る者)」と呼ばれていました。ぎょしゃの名前はここからきていて、 当時の星座絵では、α(アルファ)星カペラが母山羊,3等星4等星で描く細長い三角が2匹の子山羊と見たてて、羊飼いが3匹の山羊を抱えた姿で描かれていました。 またこの五角形の星座は、日本では「五つ星」「五角星」,中国名では、その星の数から「五車」と呼ばれていました。 |
IC405 散光星雲 別名「曲玉星雲」、距離は2200光年で、この星雲の中ほどにある明るい星は、遥か昔オリオン座から飛び出してきた星と言われ、この付近に広がる暗黒星雲に行き当たって、明るく照らし出しされたものです。 +- 写真は天体写真家北原勇次さん撮影 -+ |