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ギリシア神話 / この星座の固有名のある星について


いるか座

【学名】 Delphenus 【略符】 Del
【英名】 the Dolphin
【日本名】 いるか(海豚)
【面積】 188.55平方度
【20時子午線通過】 9月26日

 夏の終わり頃、鷲座のアルタイルの東に輝く可愛らしい菱形の星座がいるか座です。 この星座のγ(ガンマ)星は二重星で小口径の望遠鏡で黄い3.9等星と青い5等星の星に分離することができます。

 日本ではその形どおり「菱星」や、はたおりの時たて糸とよこ糸を引き込むための船形をした道具に見たてた「梭(ひ)ぼし」と呼ばれていました。
 ヨーロッパでは「ヨブの棺」と呼ばれることもあります。

 ギリシアでは、いるかを神聖な動物とし使者の魂を運んでゆくと信じられていました。  また、ギリシアには神話とは別に、この星座にまつわるもう一つ、 紀元前7世紀頃に実在したギリシアの詩人で音楽家のアリオンの物語が残されています。
 地中海のレスボス島に琴の名手で詩人でもあるアリオンという人がいました。ある時彼は、シチリア島で開かれた音楽コンクールに出てみごとに入賞し、 コリントの船で帰国の途につきました。ところがアリオンが賞金を持っていることを知った船乗り達が、彼を殺して賞金を奪おうとしました。 これを知ったアリオンは、自殺を覚悟して「最後にもう一度あの琴をひかせて欲しい」と船乗り達に頼み、琴を奏でながら心を込めて詩をうたいました。 船乗り達も、その美しい音色と詩に心を打たれて聞き入り、また海の魚や動物達も船のまわりに集まってきて アリオンの歌に耳をかたむけました。歌い終わったアリオンは死を覚悟して海へと身を投げました。 すると不思議なことにアリオンの音楽を聞きに集まっていた、いるかの1匹が彼を乗せて近くのタイナロス島まで運んでくれたのです。 アリオンはこうして無事にコリント王ベリアンデルの王宮につくことができたのだそうです。 この時のいるかが、いるか座になったともいわれています。


+- 写真は天体写真家北原勇次さん撮影 -+



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