おおぐま座の頭部、北斗七星を形つくる、おおぐま座α(アルファ)星とγ(ガンマ)星を結んで、
α星の方に同じ長さだけ延ばしたあたり、4等級の24番星の近くに位置する、Irregular Galaxy(不規則銀河)です。
0.6度ほどの間隔で M81 が位置し、同視野の中に見ることのできる銀河のペアのひとつです。
上の写真で見られるような奇妙な形は、宇宙空間のチリで光が遮られるなどしているためで、
近赤外線写真では、普通の円盤銀河と同じように見えます。
双眼鏡では、 M81 がぼんやりとした恒星のように、
M82は、ごく小さな細長い光のしみのように見え、この2つが「ハ」の字に並んでいるように見えるのが確認できます。
望遠鏡では、口径が大きくなるにつれ、 M81 の渦巻きの感じや、
Starburst Galaxy(爆発銀河)といわれるM82の様子を見ることができます。
1965年に、A.サンデイジとC.R.リンズの研究により、M82の中心から 960km/秒ものスピードで星群が噴出し、
そのフィラメントは、銀河の中心から外側へ、およそ1万光年以上という範囲まで達していることや、
膨張しつつある物質の全質量が太陽の約500万倍にもなると考えられることなどが分かりました。
この結果と、その後のあらゆる研究から、M82が不規則な形をしているのは、隣の M81
との相互作用の結果、爆発的な星形成が進行中であると考えられています。
また、M82の直径は、およそ16,000光年、質量は太陽の500億倍(M81の質量の5分の1程度)の、
比較的小さな銀河で、約380km/秒という、 M81 よりも遥かに早いスピードで回転していると考えられています。
1774年12月に、J.E.ボーデが発見したもので、「星雲状の光斑で非常に青く、楕円」と記しています。
シャルル・メシエは、1781年に「星雲状の斑点で非常に淡く細長い。 M81 よりはっきりしない。
その先端に暗い星が望遠鏡で視野内にみえる」として、カタログに加えました。その後、ロス卿が巨大な反射望遠鏡で、
数本の明暗模様を確認し、「最も異常な天体で、径は少なくとも10′。数本の暗い細いすじが交差している」と書き記しています。
|