space > 冬の星座 > こいぬ座 > こいぬ座ギリシア神話








ギリシア神話では、猟師アクタイオンの飼っていた猟犬メランポスとして
描かれますが、もう1つの神話では、アテナイの王イカリオスの飼い犬
メーラであったという説もあります。


アクタイオンとは農芸の神アリスタイオスの子で、半人半馬の姿をもつ
ケンタウロス族の賢者ケイロン
(射手座) に弓を学んだ狩りの名人です。
ある日、アクタイオンは、飼っていた猟犬メランポスを連れて鹿狩りに出かけました。
ところが、いくら森を歩き回ってもまったく獲物に出会わず、日も傾いてから
落胆して帰路に着きました。ところがその途中、森の泉を 通りかかった時に、
1人の素晴らしく美しい女性が精女たちにかしずかれて
水浴びをしているのを覗き見てしまいました。
女性は、アクタイオンが見ているのに気付くと酷く腹を立て
「私の裸を見たとその口で言えるものなら言ってみるがいい」と言って、
アクタイオンを鹿の姿に変えてしまいました。
その女性とは誇り高く純潔を旨とする月の処女神アルテミス
だったのです。鹿になったアクタイオンは、自分の猟犬であるメランポスに
襲いかかられ、ついにかみ殺されてしまったそうです。
アルテミスは、主人と知らずにかみ殺してしまった猟犬に哀れを覚え、
天に上げて星座にしたといわれています。


もう1つの神話は忠犬メーラの話しです。


アテナイの北、土壌の豊かなイカリアの地を治める王に、
イカリオスという者が いました。イカリオスは酒神バッカスを信仰していたため、
バッカスは彼に葡萄の 木を与え、酒の作り方を教えました。
その酒の味たるやなんとも心地よいもので、 イカリオスは、この喜びを領地の人々にも
分け与えようと酒を造り皆を呼んで 振舞いました。ところが農民達は、
イカリオスの作った酒を水で薄めず生のまま 飲んでしまい、
酷く酔っぱらってしまいました。人々は身体が熱くなり、ふらふら しはじめたので、
これはイカリオスに毒を飲まされたのだと勘違いしてしまったのです。
怒った人々はイカリオスをばらばらに引き裂いて殺し、1本の木の下に埋めました。
その頃、イカリオスの王女エーリゴネーは、父が酒の袋を持ってでかけたまま
失踪してしまったのをしきりに心配し、イカリオスの飼っていた忠犬メーラを連れて、
方々をめぐってはイカリオスの行方を尋ね歩きました。
エーリゴネーは長い間探し 続けた末、1本の葡萄の木のそばを通りかかりました。
するとメーラが突然騒ぎ はじめ、葡萄の木に身体をすり寄せたのです。
エーリゴネーは即座にその意味を 悟りました。この葡萄の木こそ、
イカリオスの亡骸が埋められている場所なのだと。
父の死を知ったエーリゴネーは絶望し、その木の枝に縄をかけて首をくくって
死んで しまいました。イカリオスに尽し、のちにエーリゴネーを守り続けた忠犬メーラは、
2人の死後も、亡骸のそばを去ることなく自分が死ぬまでそこにただずんでいました。
この忠節をたたえられ、メーラは死後天に昇って、こいぬ座になったのだといいます。






星座へ戻ります speceへ戻ります



+- Yumi's Room Top -+
What's new / Link / BBS / Diary / Profile
+ Main Contents + / Space / Night Sky / Christmas / Dream

リンクとご利用について