【星座を構成する固有名のある星】
・α星(0.0等)べガ - Vega
スペクトル型 A0Xa
アラビア語のアル・ナスル・アル・ワーキ(落ちる鷲)で、天の川をへだてたわし座のアルタイルがその両側の星とともに、
翼を広げた鳥という印象なのに対して、べガの方はすぐ近くにあるζ星ε星と合わせて∧型で、翼をたたんで降下する鷲という印象からきています。
七夕の織女星として知られ、わし座のアルタイルと合わせて「夫婦星」「天の河星」ともいわれます。
太陽からの距離25光年、全天で4番目に明るい星です。若い星で青白く輝くその姿は、青いダイヤモンドにも例えられます。
地球の歳差運動のために1万2000年後には天の北極の近くに移動し、北極星として輝くようになる星です。
・β星(4.3等)シェリアク - Sheliak
ペルシャ語でシャリク(琴)または、アラビア語のアル・シリヤクで、ヘルメスが海岸で亀の甲羅を拾って、それに弦を張り最初のハープを作ったというギリシア神話と関係があると考えられています。
有名な食連星(食変光星) で、1784年にグッドリックによって発見されました。
連星の距離が近いために、両星の引力による潮汐作用によってお互いの星の形が楕円体(卵型)に変形しています。
太陽直径の50倍と30倍程度の連星が、くっつき合うような近さで巡り合っていると推定されています。
・γ星(3.2等)スラファト - Sulafat
アラビア語のアル・スラファトからきていますが、β星と同じ意味で、この星座全体の名前からきたものと考えられています。
・ε1,ε2星 ダブルダブルスター - Double Double
肉眼ではひとつの星にしか見えませんが、双眼鏡で二重星、小口径望遠鏡で四重星に分離できます。
この星は、二重星(ε1,ε2)のそれぞれが、さらに二重星になっていることから「ダブルダブルスター」と呼ばれています。
ε1は5.0等と6.1等の連星系、ε2は5.1等と5.4等の連星系を構成しています。
・η星(4.4等)アラドファル - Aladfar
アラビア語のアル・アトファル(爪)からきているといわれていて、この爪は鷲などの猛鳥などの爪を指すのだといわれます。
また日本では、「ε,η星」を「七夕のこども」と呼ぶ地方もあり、この2つの星にα星べガを加えて「七夕」と呼ぶところも多いそうです。
|