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ギリシア神話 / 七夕伝説 / この星座の固有名のある星について

こと

【学名】 Lyra 【略符】 Lyr
【英名】 the Lyre
【日本名】 こと(琴)
【面積】 286.48平方度
【20時子午線通過】 8月29日

 旧暦の7月7日の宵の頃、頭の真上のあたりを見上げると七夕の織姫星べガの青いダイヤのようなきらめきと 4つの星が描く小さな平行四辺形が、ハープを形作っています。
 この星座のべガと、はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイルをつないでできる三角形を 「夏の大三角」と呼びますが、この3つの星の中でもっとも明るく青白く輝く星が、こと座のα(アルファ)星ベガです。

 ギリシア神話では、リラの名人オルフェウスとその妻の死をめぐる切ない物語が伝えられていますが、(ギリシア神話参照) この神話は、紀元前6,7世紀頃から語り伝えられてきて、、古くから多くの歌や詩が作られてきました。 現在でも上演されているオペラの中では、18世紀ドイツの作曲家クリストーフ・グルックの歌劇「オルフェオとエウリディーテ」などが有名です。

 日本では七夕の織姫べガ(七夕伝説参照)で有名な星座で、現在では太陽暦の7月7日が七夕とされていますが、 本来は、旧暦の7月7日を七夕とします。宵の天頂付近には、織姫(べガ)彦星(アルタイル)が輝いて、 その間を天の川が北東から南西に流れ、近くの南の空には月齢7,8くらいの上弦に近い月がかかるので、 旧暦の七夕には、七夕の伝説がうまれた夜空を仰ぐことができます。
 もともと七夕伝説は中国に伝えられてきた話で、1世紀から3世紀頃の文献にはじまり、 中国には織女(織姫)に関しての多くの伝説が残されています。

 またべガは、2つの4等星(ζ,ε星)と小さな三角形を描いてますが、 これを中国では「織女三星」と呼んで、詩経には「足を爪先立ている織女」とあり、2つの星を「織女の子星」ともいいます。
 日本では、織女が天から下りてきたところを漁夫に羽衣を隠されて、 泣く泣くその妻となり2人の子供を生みましたが、ある日夫に隠されていた羽衣を見つけて、 天上に帰り、今も2人の子供を側においているのだと伝えられています。




夏の大三角形
夏の大三角形




ベガ
七夕の織姫にたとえられるべガです

M57
M57

こと座の惑星状星雲M57です。この星雲はその姿から「リング星雲」や「環状星雲」とも呼ばれます。 これは年老いた星が最期を迎え、周囲のガスを吹き飛ばし、そのガスが今ゆっくりと外側に広がっているところで、輪の直径はもう太陽系の400倍ほどまでに広がっているといわれています。そしてこれは、この星と同じくらいの質量を持つ私達の太陽の、およそ50億年後の姿でもあります。




+- 写真は天体写真家北原勇次さん撮影 -+



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