【星座を構成する固有名のある星】
・α星(1.0等)スピカ - Spica
スペクトル型 B1V-W+B2X
ラテン語で穀物などの穂を意味する言葉で、ちょうどおとめ座が片手に持つ麦の穂先に位置する星です。
太陽からの距離は350光年、表面温度が約2万Kもある若い高温の星です。
日本ではスピカの穏やかな白色の輝きから『真珠星』、中国では、さそり座を巨大な蒼竜(そうりゅう)とみたとき、
2本の角の片方は『大角(アルクトゥルス)』、もう片方がこのスピカまでのびることから『角』と呼ばれました。
・β星(3.6等)ザヴィヤヴァ - Zavijava
アラビア語アル・ザーウィアーからきたもので、「吠える犬の一隅つまり犬小屋」を意味する言葉です。
これは、古代バビロニアで、現在のしし座θ星が「ライオンまたは犬の尾」とされていたので、
このおとめ座β星もその一部になっていたことから、この名前がつけられたと考えられています。
・γ星(2.8等)ポリマ - Porrima
ローマ神話に出てくる予言と出産のニンフの名前です。
連星系で、黄色い3.5等星の二重星です。
・δ星(3.4等)ミネラウバ - Minelauva
この固有名の意味は解っていません。
・ε星(2.8等)ヴンデミアトリクス - Vindemiatrix
ラテン語で「ぶどうを摘む女」を意味する言葉で、ギリシアのアラトス天文詩ファイノメナでは、
「果物取り入れの先駆」という名前が記されています。古くはおとめ座全体を「ぶどう摘み」と呼んでいました。
これは昔、日の出前におとめ座全体(またはこの星)が見える頃に、ぶどう摘みが始ったためについた名前といわれています。
・ζ星(3.4等)ヘゼ - Heze
この固有名の意味は解っていません。
・η星(3.9等)ザニア - Zaniah
アラビア語のアル・ザウィア(かど)からきた名前で、β星と同じく、「β、γ、η星」を「犬小屋」と考えていたことに関係があると考えられています。
・ι星(4.1等)シュルマ - Syrma
ギリシア語のシルマ(痕跡)か、シレイン(ひきずる)をラテン語化したものと考えられていて、
長くひきずった女神の衣のすその印象から、この名前が与えられたものといわれています。
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