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ギリシア神話 / この星座の固有名のある星について


さそり座

【学名】 Scorpius 【略符】 Sco
【英名】 the Scorpion
【日本名】 さそり(蠍)
【面積】 496.78平方度
【20時子午線通過】 7月23日
 夏、南側の中天で巨大なS字を描くさそり座は夏の代表的な星座で、黄道12星座です。 蠍座の中央には真紅に輝く1等星アンタレスがあり目をひきます。 上の写真左側に、もう一つ赤く輝いている明るい星は火星で、アンタレスは黄道近くにあるため、 軍神アレスの星とされる赤い惑星火星がやってきて並び、この二つがいかにも赤さの色くらべをしているように見えるため、 「アンチ・アレス(火星に対抗するもの)」とも呼ばれています。


アンタレス
アンタレス

+- 写真は天体写真家北原勇次さん撮影 -+



 ギリシア神話では、神々からオリオンにむけられた毒さそりであるとする話や、 この星座が黄道上に位置することから、アポロンの息子ファエトンの乗る 太陽の馬車の馬を刺した毒さそりとする話もあります。(ギリシア神話参照)

 中国では青竜と呼ばれたり、冠をつけ空に立っている巨人とも言われました。これは、さそりの頭部(房宿)が巨人の口と鼻で、 その上にあるα星アンタレスと両側のσ,τ星が背中と肩で、尾にあたる9つの星が風になびく衣だと伝えられています。

 古代バビロニアでは、この星座を最も不吉なものと見ていました。赤いアンタレスを闇の力の星として、太陽が秋分の後、次第に低くなって光と熱を失っていくのをこの星座の仕業と考えていました。
 これはエジプトでも同様で、ギリシアの歴史家プルタルコスによると、エジプト人は太陽がさそり座にあるときに闇の神ティフォンが日の神オシリスを殺したとして、 オシリス(エジプトの神話ではおとめ座)の神像を箱に入れて海に流し、3日たってから神官がそれを発見したとして祭を催したりしました。 そして、その後6ヶ月の間ティフォンがこの世を治め、春分が来て太陽が再びピラミッドの頂きに輝くのを、オシリスの復活として祝福したとも伝えられています。

 日本ではこのS字カーブは釣り針にそっくりだというので「魚つり星」などと呼ばれていました。

 ポリネシア伝説には、巨人マウイが大きな島を釣り上げたとき勢いあまって天にひっかかった釣り針(マウイの釣り針)というのも知られています。
 マウイは火の女神マフィカから火を盗んで来て、人間に火を用いる方法を教えたり、太陽を罠にかけてその出入りを遅くしたりしたと伝えられていて、 さそり座は、彼が空に引っ掛けた釣り針が今でも残っているものといわれています。
 マウイが兄達と一緒に釣りに出かけた時のこと、兄たちが餌を分けてくれないので、マウイは自分の鼻をなぐって鼻血を出しもつれた糸の玉になすりつけ、それを餌にして海へ投げ込みました。 すると、すぐ何かかかって糸が張り舟がひどく揺れたので、兄たちもこれは大物がかかったらしいと騒ぎました。 マウイが力をこめて引き上げると、それは大きな島でまるで巨大な魚のように暴れまわって、マウイの手ではどうすることもできません。 そこでマウイは兄達に、網を持ってくる間そっとして置いて、決して切りつけたりしてはいけないと言って、陸へ泳いでいきました。 しかし兄達は、島があまり暴れるのでそれを静めようと、小刀で散々に切りつけました。すると島は、その痛さに前よりも暴れて、とうとう丸木の舟は砕け兄達は死んでしまいまいした。 急いで戻ったマウイは、網で島を縛り上げてようやく大人しくさせました。これがニュージーランドの北の島で、今でも「テ・イカ・マウイ(マウイの島)」と呼ばれています。
 兄達が切りつけた傷跡が山や谷となりあちこちに残り、マウイの釣り針は、はねて星の間に引っ掛かり、それがさそり座の尾であると伝えられています。




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