・・・ 悲しいクリスマス ・・・ フェデリコ・バルバロ神父 |
* 第一章 * クリスマスの天使 その時、天国の時計がクリスマスを告げました。 ちょうどこの頃、地上の子供達を守ることを任された天使が 聖人達に施しを乞いに出るならわしがありました。 地上の天使のような子供達のために・・・。 今年も例年通りその天使は、 クリスマスキャロルを歌いながら天の玄関を出ました。 ブロンドの髪を額まで隠す金の冠・・・ この世のものならぬ深い目の優しさ・・・ 天国の人々は、天使が施しをもらいに来るのを待ち望んでいます。 「美しい天使よ、あなたは何をお望み?」 天使はその優しい目を無限の展望に馳せて答えました。 「私の保護する小さな子供達の幸福を望みます。 その心は清く、その体はすこやかにあれと・・ 私は母親達の目が涙に濡れないようにと望みます・・・ 喜びのこの週間中、子供達で賑わう家庭に幸福があらんことを・・」 天国のあちらこちらから、この輝かしい天使を呼んで、 持っているものを広げた服に投げ入れます・・ 乙女達は愛と清らかさを、聖者は力と信仰を、 聖人は柔和と謙遜を・・・。 イエズスの手をとった乙女マリアは、 み前に平伏している天使の額に、静かに十字架を印して言いました。 「行きなさい・・神の美しい天使よ・・汝は誰よりも祝せられたものである。 汝によって子供達も祝されんことを・・」 * 第二章 * 子供達のゆりかご |