* 第二章 * 子供達のゆりかご からげた服の中に、あふれるばかりの施しものをつめた天使は、 大きな翼をひろげ、無限の静寂の中を下界に下りました。 クリスマスの夜でした。 大空は深い闇に包まれていましたが、 天使は馴れた道をゆく旅人のように、長い光芒を引きながら、 翼をはばたいて下る・・下る・・もう地球が見える・・・ その星は青く美しい光に包まれています。 でも天使の見たものは世話しなく動く黒いかたまり・・・ 天使は翼を閉じ、この憐れな世の上に足を止めました。 陸が見えます・・平原も・・海も・・山々も・・。 天使の前をアメリカの大陸が横切ります・・ アフリカも・・オーストラリアが地平線に見えました。 まだ天使は翼を上げません。 神話の土地・・太古の思い出を秘めるヨーロッパ、アジアが通った時、 天使はそこに降り立ちました。 子供達が、守護の天使と話す時間でした。 透明な夜でした・・・。 胸一杯に祝福を抱いた天使は、子供達のゆりかごの上を通りました。 一つも見逃しませんでした。天使が枕もとで身をかがめれば、 子供達は腕を伸ばして微笑みます・・・ そして天使は小さなベッドの足もとに、神的な食べ物を置くのでした。 「あなたがたが、強くありますように・・・」 と天使は、明日の大人達に話しました。 「深い信仰に満たされますように・・」 「聖母マリアのみ名をいただくあなたに、清く柔和を心を・・」 と小さな女の子に言いました。 「貧しいあなたは、ろうそくの絶えざる光でありますよう」 そして天使は、子供達と共に親達にも祝福を与えました・・。 * 第三章 * 悲しいクリスマス |