この星座にも様々な神話があり、おおぐま座の隣にあることから熊を追う 狩人であるとか、熊に変えられ大熊座となった侍女カリストの息子アルカス (こぐま座) であるなど様々な説があります。 その中の1つの神話では、この星座は天を支える巨人アトラスの姿だと言わ れています。巨人アトラスはかつて大神ゼウスの率いるオリュンポス神族との 戦争で敗れた巨神族の一人で、ゼウスにより、永久的に天を担いで支えて いなくてはならない、という辛い役目を負わされていました。 そんなある時、勇者ヘラクレスがアトラスのもとへとやってきました。 彼はティーリゥンスの王エウリュステウスの命令で、12の功業のひとつ、西の果て に棲むヘスペリデ−スの園にあるという、金の林檎を取りに行く途中でした。 (ヘラクレス座) その旅の最中、岩山に縛りつけられていた賢者プロメテウスを 助けたことがありました。プロメテウスはお礼として、金の林檎を手に入れるため には、アトラスに強力を頼むといいと教えてくれたのです。アトラスはヘラクレスの 話しを聞くと、「それなら私が金の林檎を取ってくる間代って天を支えていてくれ」 とヘラクレスに言いました。ヘラクレスは快く承諾し、アトラスが戻ってくるまで 天を支え続けることになりました。 やがてアトラスは金の林檎を携えて戻ってきたのですが、アトラスはこの天を 支え続ける仕事に飽き飽きしていたので、ヘラクレスに仕事を押し付けてしまおう と考えたのです。アトラスは「私が代りにこの金の林檎を届けておいてやろう」 と言って、そのまま立ち去ろうとしました。ヘラクレスはアトラスの企みを見抜いて いましたが、天を支えたままではアトラスを追いかけることもできません。 そこでアトラスにこう言いました。「そうしてくれるのはありがたいが、俺は 天を担ぐのに慣れていないので、肩が痛くてたまらない。どうすれば楽に 担げるかちょっとやって見せてくれないか?」単純なアトラスは「いいだろう」 と言って金の林檎を置くと、慣れた様子で天を担いで見せました。すると ヘラクレスは素早く金の林檎を拾い上げ、そこからさっさと逃げてしまった のです。アトラスが騙されたと気がついても、もう後の祭りでした。 のちにペルセウス (ペルセウス座) が、人を石にしてしまう妖怪メドゥ−サを退治 した時、天を支える仕事に疲れ果てていたアトラスはペルセウスに頼んで、 メドゥ−サの毒を自ら浴びて、自分を石にしてもらったそうです。 やがてアトラスは星となりましたが、 今でも天を支え続けているのだと言われています…。 +- Yumi's Room Top -+ What's new / Link / BBS / Diary / Profile + Main Contents + / Space / Night Sky / Christmas / Dream リンクとご利用について |