space > 春の星座 > からす座 > からす座ギリシア神話








神話の中で、カラスはイルカと並んで太陽神アポロンの使いとされていて、
この星座の神話にもアポロンが深く関係しています。


昔、太陽神アポロンが世界の国々を旅していたときのこと。
アポロンはテッサリアの王女コロニスと恋に落ち、結婚しました。
アポロンはコロニスに自分の使いである白銀のカラスを与えました。
このカラスは人の言葉を話し、天上界と人間界を行き来してはアポロンに
コロニスの様子を伝えていました。ある日、カラスがコロニスのもとにやってくると、
コロニスはたまたま一人の男性と親しげに話していました。
カラスは慌ててアポロンのもとに飛んで帰り「コロニスが浮気してますよ」と
アポロンに告げたのです。アポロンは烈火のごとく怒り、1本の矢を放ちました。
矢はぐんぐんと飛び、遠く離れたコロニスの胸に突き刺さりました。
瀕死のコロニスは倒れたまま天を仰ぎアポロンに、
「せめてお腹にいるあなたと私の子供の命だけは助けて下さい」と懇願すると
そのまま息絶えてしまいました。自分の過ちに気付いたアポロンは
激しく後悔して、コロニスのお腹から取り上げた息子にアスクレピオスと名付け、
ケンタウロス族のケイロン
(射手座) に託しました。
この子がのちに、アルゴ号探検隊などの冒険にも参加した名医、
アスクレピオス
(蛇遣座) となるのです。

一方、いい加減なことを言ってアポロンを惑わせたカラスは、
アポロンの不審をかい、人の言葉を話せないようにされたうえ、
身体を全身醜い黒に変えられてしまったのです。
この時からカラスはガァガァとしか鳴けず、色も黒くなってしまったといいます。
のちにこのカラスが天上に昇って星になり、烏座となったのです。


一説には、目の前のコップ座にくちばしが届かないように置かれ、
水が飲めないようにされたとも言われています。







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