space > 夏の星座 > おおかみ座 > おおかみ座ギリシア神話








おおかみ座は、神話の中では
アルカディアの王リュカオンの姿であると言われています。


アルカディア地方にリュカオンという王がいました。
リュカオンは数多くの女性たちとの間に50人の息子と1人の娘をもうけましたが、
50人の息子たちは皆高慢で意地が悪く、アルカディアの民を苦しめていました。

その悪評を耳にしたゼウスは、彼らがどれほどの悪人かを試すため、
旅人の姿でリュカオンの神殿を訪れました。
するとリュカオンの息子たちはリュカオンの孫アルカス
(こぐま座) を殺し、
その臓物を抜きとり、それを料理に混ぜてゼウスをもてなしたのです。
このあまりにも非道な行いに激怒したゼウスは正体を現し、
驚いて逃げまどうリュカオンの息子たちを、一番幼かった
ニュクティモスを除き、すべて雷光で殺してしまいました。

ゼウスはリュカオンを捕らえ、この行いの共犯者として罰を与えました。
リュカオンの姿をその残虐で非道な性質に相応しい生き物、
オオカミに変えてしまったのです。のちに、このオオカミが天に昇って
狼座になったのだと言われています。

この事件以来、リュカオンの一族は深く神を敬うようになり、
リュカイオス山にゼウスのための祭壇が作られました。
アルカディアの民の間では、ここで生け贄となる人間を殺し、
その肉を食べた者は、狼になってしまうのだと言われていたそうです。



その後、この時死んだはずのアルカスは、ゼウスによって蘇りました。
また、リュカオンのたった1人の娘とは、この神話に出てくるアルカス
(こぐま座)
母親であるとされる、カリスト
(おおくま座) です。








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