てんびん座は初夏の夜の空、乙女座1等星スピカと蠍座の1等星アンタレスのほぼ中間あたりに
3つの3等星がくの字を裏返しにしているような形で見えます。それが、黄道12星座7番目の天秤座です。
古代ギリシア人はこの部分をさそり座の二つの爪とみて、ケラエ・スコルビオニス(さそりの爪)と呼び、
アラビアでも、α(アルファ)星を南の爪、β(ベータ)星を北の爪と呼ばれていました。
この部分が現在のてんびん座とされたのは紀元1世紀頃といわれています。
初めのころの星座図には、ギリシア神話の女神アストラエア(西どなりにあるおとめ座)が手にしている、
人間の運命を決定したり、善悪をはかる天秤として描かれていましたが、のちには天秤だけが描かれるようになりました。
3等星以下の星で形成されているため、あまり目立たない星座ですが、現在おとめ座にある秋分点(秋分の日に太陽の位置する黄道上の位置)
が、当時この星座にあったので、昼と夜の長さが同じになることを天秤で表現したものと考えられています。
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